最近は太陽光パネルを設置する法人・家庭が増えてきました。
しかし、太陽光パネルに太陽光が当たれば発電することは知っていても、
その仕組みについてはあまり詳しくないという人も多いでしょう。
また、産業用と個人住宅用とではさまざまな違いがあります。
そして、太陽光パネルが火災や自然災害による被害に遭ったときの対応も考えておかなければなりません。
そこで今回は、太陽光パネルの概要について、色々な視点で紹介していきたいと思います。
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目次
太陽光パネルの概要

太陽光パネルの性能は「変換効率」で表現されます。
変換効率とは?
「太陽光をどれくらいの割合で電気に変換できるか」という数値で、
変換効率が30%の場合は太陽光100%のうちの30%を電気に変換できるという意味です。
この変換効率が高ければ高いほど発電できる電気量は多くなり、
太陽光パネルの機能が高いということです。

この変換効率には「セル変換効率」と「モジュール変換効率」があります。
セル変換効率とは、太陽電池ひとつ当たりの効率です。
モジュール変換効率は、太陽光パネル1平方メートル当たりの効率の数値を表現します。
モジュール変換効率の数値は、セル変換効率よりも低くなるのが一般的です。
太陽電池同士は太陽光パネル内でつながっていますが、
セルとセルの間にある配線のわずかな隙間には発電しません。
また電気が配線を流れるときに電気抵抗が発生し、
わずかながらも発電量が減少します。
そのため、モジュール変換効率の数値が実際に太陽光パネルを設置した際の数値に近くなります。
太陽光パネルの変換効率をチェックするときは、モジュール変換効率を確認するようにしましょう。
太陽光パネルの発電効率を最もよくする方法
発電効率の高い太陽光パネルを設置しても、
その設置がうまくいかなければ効率の良い発電はできません。
発電効率は、あくまで「条件の良い状態で太陽光を電気に変換できる割合」を数値化したものなので、十分に太陽光を受けられる環境でなければ、その性能を完全に発揮することはできません。
設置するときのポイント
・太陽光パネルを設置する際には、日陰になる時間が少なく、
長い時間に渡って日光が当たり続ける場所を選択し設置すること
・太陽電池は波長が長く弱い光エネルギーでは発電しにくいので、
設置する角度も考慮する (太陽光に対して、パネルが正面を向いた状態が一番光エネルギーを受けられる角度になりますが、太陽は時間によって位置を変えるため、その点も考慮します)
例えば、高緯度の北海道と低緯度の沖縄では太陽光パネルの設置角度を同じにしてしまうと、
発電量に差が出ます。
太陽光パネルを太陽の向きに合わせて少しずつ動かしていくのは難しいので、
太陽光パネルを設置する場所や年間の太陽の動きを計算して、
設置する確度を決めます。太陽光を最大限に有効活用するためには、
このようなことを考慮して設置して、コスト的に損をしない発電量を入手できるようにすることになります
。
産業用太陽光パネルと住宅用太陽光パネルとの違い

産業用太陽光パネルと住宅用太陽光パネルの最大の違いはシステム容量です。
産業用太陽光パネルは10kW以上、家庭用太陽光パネルは10kW未満、
という違いがあります。
家庭用太陽光パネルは一般的に住宅の屋根に設置するものですが、
住宅の屋根だけでは10kW以上の太陽光パネルを設置できる建物はほとんどないため、
カーポートなどにも太陽光パネルを増設してシステム容量を10kW以上にすることで、産業用太陽光パネルとして利用することはできます。以下、その他の主な違いを紹介します。
システムを構成する機器の違い
産業用太陽光パネルと家庭用太陽光パネルの構成機器には、ほとんど違いはありません。
産業用太陽光パネルの基本的なシステム構成機器は以下の通りです。
「太陽光パネル」「パワーコンディショナー」「架台」「接続箱」「基礎」
この中で、パワーコンディショナーの容量が50kW以上になる場合は、
高圧受電契約となるため「集電箱」「キュービクル」が追加で必要になります。
家庭用太陽光パネルのシステム構成機器は以下です。
「太陽光パネル」「パワーコンディショナー」「架台」「接続箱」「分電盤」
設置場所と必要面積の違い
産業用太陽光パネルの設置場所は、地面(野立て)もしくは工場やビルの屋根で
必要面積は地面が約150㎡以上、
屋根が100㎡以上となります。
地面と屋根を併用する場合は、100㎡~150㎡以上必要です。
一方、家庭用太陽光パネルの設置場所は自宅の屋根で、設置面積太陽光パネルが設置できる程度です。
固定価格買取制度の売電期間と売電単価
産業用太陽光パネルと家庭用太陽光パネルでは、
固定価格買取制度(FIT)の売電期間にも違いがあります。
産業用太陽光パネルの固定価格買取期間は20年間で、
家庭用太陽光パネルの固定価格買取期間は10年間です。
売電単価は、2019年度ですと産業用太陽光パネルの売電単価は14円/kWh+税、
家庭用太陽光パネルの売電単価は24円/kWh(出力制御対応機器設置義務なし)、
26円/kWh(出力制御対応機器設置義務あり)+税、となっています。
太陽光パネルはSDGsへの取り組みにもなる

近頃、SDGsという単語を耳にする機会が増えてきたのではないでしょうか。
SDGsとは、持続可能な開発目標のことで、
2016年~2030年までで国際的に達成しようと掲げた目標のことです。
その中の一つに、「7エネルギーをみんなに そしてクリーンに」があります。
太陽光パネルは発電時に、地球温暖化の主な原因である二酸化炭素を排出しませんので、
地球温暖化の防止にも貢献ができます。また、太陽光パネルを普及させることで、
日本のエネルギー自給率を上げることができますし、
企業にとって、社会貢献性の高い事業といえるでしょう。
各社の太陽光パネルの特徴

太陽光パネルは色々なメーカーが販売しています。以下、主な特徴をまとめました。
パナソニックの産業用太陽光パネルの特徴
1975年よりアモルファス太陽電池の研究開発に携わってきたパナソニックが提供するHITモジュールは、
軽量かつ少ない面積でも高い発電量を誇ります。
耐荷重性能に優れたパネルも開発していて、積雪地域でも稼働できる太陽光パネルを提供しています。
シャープの産業用太陽光パネルの特徴
1959年から太陽電池の開発を行い、設置環境に応じたパネルを生産・販売しています。
国際規格よりも厳しい独自の耐久試験・加速試験基準を策定しています。
京セラの産業用太陽光パネルの特徴
2010年の会社別生産量において、累積設置容量NO.1を獲得したのが京セラです。
全国に、10kwのものから1MWを超えるものまで多くの発電所に太陽光パネルを供給しています。
外壁面に対応したモジュールを提供しているのも特徴です。
アップソーラーの産業用太陽光パネルの特徴
アジア・ヨーロッパを拠点とした海外メーカーであるアップソーラーでは、
単結晶・多結晶モジュールを扱っています。太陽光パネルの先進国であるドイツで行われたモジュール総合テストで、アジアメーカーとして最高評価を得るほど高品質の太陽光パネルを提供しています。
GWソーラーの産業用太陽光パネルの特徴
2010年に設立された新進気鋭の太陽光パネル販売会社です。
発電量が多い軽量なモジュールを提供していますが、設置完了日から10年間の保証がしっかりとついています。
カナディアンソーラー産業用太陽光パネルの特徴
世界11カ国に拠点を置く海外メーカーであるカナディアンソーラーでは、
25年という長期間のモジュール保証をつけています。
独自の新技術である「ELPS(エルプス)」を採用して、
集光率を3%改善するなど世界トップクラスの品質を誇ります。
ソーラーフロンティアの産業用太陽光パネルの特徴
気温の変化に強いCIS太陽電池を生産しているソーラーフロンティアの製品は、
ガソリンスタンドの屋根や日本郵船のコンテナターミナルなどに設置され、
ここ日本でのシェアも大きくなってきています。
火災保険と太陽光パネルの関係はどうなっている?

太陽光パネルが、火災や自然災害によって被害を受けたときはどうなるのでしょうか。
基本的に、太陽光パネルは火災保険の補償対象となりますので、
火災保険に加入していれば修理工事費用を賄えます。
ただし、火災保険の補償対象に「建物」が含まれていることが条件となります。
ちなみに、賃貸物件の入居者が太陽光パネルを自費で設置する場合は「家財」と判断されることもありますので、
どちらの補償対象になるのかは保険会社に確認しましょう。
太陽光パネルを後付けした場合はどうなる?
太陽光パネルを後付けした場合は、
火災保険の契約を見直すことをおすすめします。
というのも、太陽光パネルを取り付けると評価額が上昇するので、
見直しをしておかなければ、万が一のときに保険金では総被害額を賄いきれない可能性があるからです。
そのため、火災保険の見直しを行い、
建物が全壊してしまった場合でも再調達できるような契約内容に更新しておきましょう。

メーカー保証だけでは足りない?
一般的に、太陽光パネルには10年以上のメーカー保証がついていますが、
あくまで初期不良や故障についてのみの対応となります。
火災や自然災害による被害は保証の対象外となるので、火災保険に加入しておくことをおすすめします。
また、メーカー保証に自然災害補償をオプションで付けることもできますが、
すべてのメーカーが用意しているわけではないので注意が必要です。
しかも、いつの間にか補償期間が終わっていたということも少なくないので、
火災保険でしっかりと補償しておく方が万が一のときに安全です。
地震大国・日本では地震保険にも加入しておきたい

火災保険の補償対象となる自然災害による被害には、例外があります。
それが、地震・噴火・津波による被害です。これらを補償するためには、
火災保険とセットで加入する地震保険への加入が必要になります。
火災保険にのみ加入している場合やメーカー保証のオプションの自然災害補償では、
地震・噴火・津波による補償は受けられません。
ちなみに、地震保険の補償額は、火災保険のような実損額ではなく、
建物・家財全体の「全損・大半損・小半損・一部損」という4区分の判定により保険金額が決まります。
一番割合が高い全損でも、最大で火災保険の保険金額の50%の補償しか受けられないのですが、
一部の保険会社の特約では補償額の上乗せが可能となっていますので、
万が一の備えとして検討してもよいでしょう。
「屋根貸し」という選択肢もある

屋根貸しとは、他者が所有している建物の屋根に太陽光発電を設置して資金を回収する資産運用のことです。
不動産のように部屋を貸して資金を得るイメージと似ています。
メリットは一定の収入が得られること、空いた場所による有効活用と、
エネルギー普及への貢献と考えると大きな意味合いを持つでしょう。
また、発電性能を一定期間保証してくれるという出力保証というものがメーカーについている場合が多いです。
発電量が落ちているということを実証することができれば、
無償で交換や修理などを行ってくれます。メーカーによって異なりますが、10年~25年保証があります。
太陽光パネルに関する補助金について

太陽光パネルに対する国からの補助金は、いくつかあります。
(2021年4月現在)以下の3つをご紹介いたします。
ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業
定額:5万円/kW+設置工事費相当額10万円が基準額となります。
申請期間:令和3年9月30日まで
再エネの価格低減に向けた新手法による再エネ導入事業
建物の屋根上や空き地以外の場所(カーポートなど)に設置する、自家消費型の太陽光発電設備・蓄電池に使用できます。
定額:設備導入の3分の1
申請期間:令和3年5月~
ちなみに、これまでは以下のような補助金制度がありました。
1994~2005年度:新エネルギー財団(NEF)の補助金交付
2008~2013年度:太陽光パネル普及拡大センター(J-PEC)の補助金交付
年度によって変更がある場合がありますので、補助金については詳しく調べておくようにしましょう。
各自治体によっての補助金があることも
国からの補助金は終了しているものの、
地域によっては自治体の補助金制度に申し込むことができます。
2021年度の補助金は、今後各自治体から発表されると思われますので、チェックしておきましょう。
太陽光パネルにおける蓄電池への補助金もある
国は蓄電池への補助を実施していました。
家庭用蓄電システムであれば1kWhあたり2万円、
最大60万円が受け取れるというものです。
また、過去には
「一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)」
「災害時に活用可能な家庭用蓄電システム導入促進事業費補助金」
なども実施され、一旦締め切られた後も追加公募もあるものでした。
現在は、2020年7月に予算額が超過したため受付を終了しています。
蓄電池についても、地域によっては自治体独自の補助金制度があるので一度チェックしてみましょう。
このような補助金は、予算次第で申し込みが早めに締め切られることもあるので、
こまめにチェックすることをおすすめします。
ZEHの補助金とは?
現在、国が推進しているのが住宅のZEH化です。
ZEHとは「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」のことで、
使うエネルギーと創るエネルギーの収支をゼロにすることを目的とした住宅を意味します。
以下、ZEH化の具体例です。
- 高断熱:住宅の高断熱化により冷暖房効率を上げる
- 省エネ:LEDや高効率の給湯システムなどにより消費エネルギーを減らす
- 創エネ:太陽光パネルなどの再生可能エネルギーシステムを導入して消費エネルギーを上回るエネルギーを創る
ZEHに関しては、2021年現も国からの補助金が継続されています(2021年度の予算は65億5000万円)。
ケースによっては産業用太陽光パネルにも応用できることがあるので、
担当官庁である環境省や経済産業省に問い合わせてみましょう。
参考資料:http://www.env.go.jp/earth/earth/ondanka/energy-taisakutokubetsu-kaikeir03/matetr03-16.pdf
事業者災害対策機構へご相談ください

太陽光パネルがもしも破損、汚損した場合に修繕したいが保険はきくのか?
という疑問をお持ちの方。
太陽光パネルの修理だけではなく、
これをきっかけに建物自体を見てほしい等のご相談がある際は、
【台風救済センター】へお気軽に問合せください。
戸建てや集合住宅だけでなく、病院、神社、ビルなど様々な建物の診断実績がございます。

| 【執筆者プロフィール】 | 【記事監修プロフィール】 |
| 名前:坂野 直耶 経歴:塗装工として現場作業・監督などに従事 この仕事で伝えたい事:現場担当として喜ばれることは今までは完工した時の見栄えの良さ! でしたが、長く保つメリットが利点とすると欠点としては、 お客様との長期の関係性が構築できない事です。 火災保険や地震保険では長期的に色々とご相談を頂くので現場にとっても、 お客様にとっても、支払いをする国や保険会社にとっても 【三方良し】となっております | 名前:千葉 彰 経歴:大手損保業界の裏側をみて嫌気がさし、出口である支払いを増やす仕事に従事 一言:画像のスーツも実は保険でおります! インターネットのコメントで良く、 【申請をするなら直接保険会社へ!】や 代理店に相談すればいいだろうと言われておりますが、実際に0円やありえない判定で相談が台風救済センターに多くきておりますので記事としてどんどん書いていきます。 |


